事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

スリランカに行った。シギリヤロック、キリテ、コカ・コーラ

スリランカに旅行に行った人が必ず行くであろうシギリヤロック。世界文化遺産として著名で、多くの観光客が標高370メートルもある頂上を目指して歩みを進めているらしい。古都 シギリヤも世界文化遺産登録をされてから30年以上が経つ場所。

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オウンドメディアではダメ、「自社をメディア化する」と考える

おかげさまで「オウンドメディア(自社メディア)」に関するセミナーに登壇させていただく機会が増えた1年でした。サイボウズ式という自社メディアの立ち上げと運用に約3年間携わり、長期間続けることで一定の成果が生まれてきたことの証左かと思います。

ただ、そこで感じるのは「オウンドメディア」という単語がひとり歩きしているきらいがあるということ。単純に「オウンドメディア」という分かりやすいようで分かりにくい言葉に原因があるのでは、と思います。

オウンドメディアという言葉から浮かびやすいイメージ

オウンドメディアと聞くと「自社でメディアを構築して、情報を発信していく」といった取り組みが想起されやすいと思います。ただ、これははっきりいってその気になれば誰でもできること。CMSを使って企画したコンテンツをこしらえ、公開してしまえば、オウンドメディアのできあがりです。でも、そうやってインスタントに作ったメディアは、注目を集めることもなく、いつの間にか衰退の一途をたどってしまうのでしょう。

オウンドメディアというと、とかくメディアを作って、コンテンツを配信し、生活者との接点を作ること、だとイメージしがちです。それも1つの手段として間違いではないのですが、それだけだとオウンドメディアが成功する確率はなかなかに高まりません。

自社をメディア化するという考え方や姿勢を問うてみる

オウンドメディアと言うのではなく、「自社をメディア化する」という気概を持つ。これがオウンドメディアを成功に導く1つのヒントになると考えています。

すなわち、自分たちがメディアとなる覚悟を持って、手段としてオウンドメディアを運営していくということです。

メディアになるということは、生活者や読者の方にとって有益な情報を提供するだけでは不十分です。それこそ、自社にとってマイナスな情報であっても、読者にとって価値があるものだとすれば、それを報じていく必要があるわけです。なぜなら、メディアは読者の方を向いて、真摯に情報を公開していく必要があるからです。

社内の人におもねってはいけない、商品の売り込みをしてはいけない、時には自社の批判だってしなければならない。公明正大に、覚悟を持って、その会社自らが「メディア化」することの本当の意味を考え、企業姿勢そのものを変えていかないと成功しない。

それが自社をメディア化することの意味だと考えています。

事業会社が社内に編集部を作ることの意味

自社をメディア化する上で一番大切なのは、「編集権の独立の担保です」。編集権がきちんと担保されていて、誰に何を言われようとも、「企業をメディア化する」という姿勢を貫くという信念に基づいて、メディアを運営していく必要がある。

社内外からさまざまな声が出てきたとしても、企業の考え方や姿勢と自分たちがやっていることを常に照らし合わせながら、メディアを運営し続けていく覚悟が求められます。

それを明示するためには事業会社の中に「編集部」を作るというスタンスが良さそうです。

fzm.hatenablog.com

企業をメディア化すること、企業をパブリッシュすること

企業のメディア化は特段あたらしいことでもなく、どの企業もその重要性を認識しているはずです。このブログをこしらえながら、昔と変わらないことを言っているなぁと感じざるを得ません。

企業がメディアを持つことは手段であり、本当の目的は企業をメディア化すること、企業の資産を編集して、パブリッシュすること。その意味を考えながら、実践し続けていきたいなと思います。

メディア化する企業はなぜ強いのか? ?フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識 (生きる技術!叢書)

メディア化する企業はなぜ強いのか? ?フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識 (生きる技術!叢書)

MT東京で3年間の自社メディア運営をすべて話して考えた「企業をメディア化すること」の真意

2015年4月19日(日)、Movable Typeのユーザーイベント「MT東京」にお呼ばれして、サイボウズ式のオウンドメディア展開についてお話をしてきました。

mt-tokyo.doorkeeper.jp

サイボウズ式はコンテンツを更新するCMSとして「Movable Type」を使っていて、今回はそこからお声がけをいただきました。

www.sixapart.jp

自社メディアを運営して3年、愚直に継続することが不可欠と知る

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無印良品の人をダメにするソファを購入した結果、速攻ダメになりました(自分が)

価値あるもの、本当に欲しいものには迷わずお金を払おうと決めたこの1年。早速欲しくて欲しくてたまらなかったアイテムを購入した。人をダメにすることでお馴染みの、無印良品の「体にフィットするソファ(通称:人をダメにするソファ)」である。

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Webライターと編集者の境目は? コンテンツに情報以上の価値を込めるには? Webライターズミーティングで考えた

Webライターズミーティング Vol.2が終了しました。ライフハッカー[日本版] 副編集長の長谷川さん、プレスラボ代表取締役の梅田さん、サムライト 編集長の後藤さんとともに、Webライティングに関するノウハウや考え方を伝える場となりました。来場者は30人くらい。私はモデレーターとして参加させていただき、Webでライティングをすることについて個人的にもヒントが得られたイベントだったと実感しています。

登壇者は全員「編集者」でありながら、自らライティングもする人たち。昔はライターと編集者の役割はくっきりと分かれていたのかもしれませんが、Webを主戦場としてコンテンツの仕事をするならば、ライターと編集者の両方の素養を持つことは強い武器になります。当日盛り上がったトピックを題材に、個人の気づきを振り返ってみます。

fzm.hatenablog.com

ライフハッカーで取材いただき、記事になったよ

www.lifehacker.jp

来場者の方に執筆いただいたブログ↓

yriica.com

somewrite.com

流行のパンケーキ、あなたならその魅力を伝える? 流行の裏側について考える?

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サイボウズ式✕NewsPicks「ブランドコンテンツ」が終了、是が非でも欲しくなった「場の編集力」

サイボウズ式とNewsPicksが2014年から2015年に掛けて実施したブランドコンテンツ「Hot Topics」が終了しました。最初の3回はNewsPicksを通じたWebのコンテンツ企画、4回目となる最終回はイベントを実施しました。

ブランドコンテンツ「Hot Topics」について

cybozushiki.cybozu.co.jp

第4回「NewsPicksをこう変えろ、ピッカーピッチコンテスト」

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「Webライターズ ミーティング 第2回を開催します」ブログを書く前に速攻で満席になってたよ

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4月28日、Webライター向けイベント「Webライターズ ミーティング Vol.2」を開催することになりました。ライフハッカーの長谷川さん、プレスラボの梅田さん、サムライトの後藤さんに、「Webライティングや編集のいろは」をお聞きするイベントです。私はモデレーターとしてお話の引き出し役に徹する予定です。

web-writer-mtg2.peatix.com

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コンテンツマーケティングセミナーに登壇。「オウンドメディアは生活者にいい影響を及ぼす」という実践者のことば

「コンテンツマーケティングセミナー」のパネルディスカッションに登壇させていただきました。株式会社ソニー・クリエィティブプロダクツの朝倉精吾さん、ライオン株式会社の中村大亮さんとともに、「オウンドメディア」を使った企業と生活者のコミュニケーションについてお話をさせていただきました。

prtimes.jp

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「くうねるあそぶ。」は至高のコピー。生活者に寄り添う「買い言葉」を使いなさい

売り言葉と買い言葉。コミュニケーションの仕事をしている人なら誰しもが、自分たちが伝えたい言葉と相手に伝わる言葉の間には大きな溝があることに気づいていて、それを埋めるべく「伝わる言葉」を考えることに躍起になる。

伝えられる側からすると、日々大量の情報、すなわち言葉に触れていて、企業からの売り文句なんて到底信じられなくなっている。自分だってそう、「伝わる言葉」に出会えることはまれだ。

では、これらの解離をなくして、伝わる言葉を作り出すにはどうすればいいか。『「売り言葉」と「買い言葉」』からはそのヒントが見えてくる。いつものごとく、読書感想文を記す。

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ココ・シャネルの教養論、専門知識の最速習得法、エリートだってちょぼちょぼ

出口治明さんの『本の使い方』を読んだ。個人的に、出口治明さんの書く書籍はほとんど読んでいる。シンプルに、分かりやすい言葉で本質を突く。そんな内容が多い。サクッと読めてしまう割に心に残るものが多く、別の本で言及されていた「マネージャーやリーダーはメンバーに100点を求めてはいけない」「人生は人、本、旅から学ぶ」といった出口さんの言葉からは、仕事や生きることを支える言葉となって、自分を支えている。

本は、未知なる体験との出会いであり、教養を深めるのにもってこいだ。最近はスマートフォンやWebで集められる情報で満足してしまいがちな自分がいるのだが、本を読むたびにその考え方を改めざるを得ない。

本を読むことは自分と深く対話をすることと同義である。本を読むことで深くその世界に入り込み、「自分だったらこう考える」といった内なる思考と向き合うことができる。

そんな本の「使い方」が本著のテーマである。例のごとく、響いた言葉を引用として取り上げ、感想を述べてみたい。

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