事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

道を極めるか、潮流の半歩先を行くか

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2011年9月10日(土)。

前職でお仕事をご一緒させていただいた方とランチ。目的は仕事観を語り合うこと。大好きなんですね、人生の多くの時間を捧げる仕事をどう定義し、毎日どんな考えで仕事に打ち込んでいるか。相手のスタンスを聞き、自分の考えをアウトプットすることで、お互いが客観的に仕事について振り返る機会ができ、モチベーションも高まります。働く人の数だけ、仕事のやり方があることは分かっていながらも、プロフェッショナルな人の仕事の仕方、考え方には案外シンプルな共通項があるのでは、と感じていたのですが、それが浮き彫りになった時間でした。

特に時間に対するコスト意識は、取り入れるべき点が多いと感じました。自分への投資を怠ることなく、アートや芸術、映画から生きるスタンスを学び、毎日の過ごし方に取り入れていく。時間に対する渇望感があるからこそ、あらゆる場面から学びを得ようとする姿勢は、見習うべき部分が多い。自分はこれらの分野に興味を持ちつつも、今回お会いした方ほど体験ができていなかったので、座学ではなく経験から学ぼうと心に決めました(早速次の日に映画を見に行ってみたり、影響されやすいスタンスです)。

もう1つ興味深かった議論のテーマが、「道を極めるか、潮流に寄り添うか」。お互いマーケティングの仕事に携わっているからこそ感じる共通の課題認識、それはマーケティングの分野では雨後のたけのこのように新たな手法が生まれてくること。新たな手法に安易に手を出しても、結局は「本質」をつかみきれていないので、失敗に陥ってしまう。こんな悪循環になってはいないだろうか、と。

お互いの結論としては、手段に傾倒するのではなく、マーケティングの基本に何度も立ち戻る考え方が不可欠だということ。何が目的なのか、誰に何を伝えるのか、だったらどんな手法を選ぶべきか、を何度も考え、施策に落としこむことが大切。シンプルだけど、王道。これに尽きるものはないという結論に至りました。

そして、マーケティングに限らずですが、人生のスタンスについて。お会いした方は1つのモノを極めたいという職人タイプ、一方自分は手広く得意分野を広げていきたいとするジェネラルタイプ。二者択一なんてものではなく、人によって考え方は分かれて当然。そして仕事においてもそのスタンスがにじみ出る形に。自分は原理や王道を理解した上で、流行の半歩先に出て、変化の気流を乗りこなす態度が好き。だから、まずはテストマーケティングで実際にサービスを使ってから結果を振り返り、次に生かしたいタイプだなと思い返した次第です。

ちょっと散らかった文章で恐縮ですが、「潮流の半歩先を行く」という言葉は自分だけでは決して生まれなかった言葉。導いてくれたことに感謝です。今回感じたことを、もう少し煎じてみます。