事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

大事なのは目的達成、ツールに足をすくわれないように

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2011年10月1日(土)。

大学生の3、4年に就職活動支援に携わっていた。単純に、自分が就職活動時に同じような団体に足を運び、そこで学び、ともに学んだ知人が集まって「自分たちより下の世代に同じことができたらいいね、ってゆーかやりたいね」というくらいの軽い気持ちで活動が始まったな。就職活動が始まった時から1年強、そこで出会ったツレと一緒に過ごして、大学生活の最後の1年は、どの1年よりも密度が濃かったと今になっても思う。そこで得たツレは今もつながっていて、社会人5年目にもなるのにバカやったり、バカやったり、バカやったり。

学生時代にしておくべきことがあるとすれば、それは多分一生付き合っていける友達を作ることなのかもしれない。勉強もした、卒業論文も書いた、バイトもした、課外活動にも打ち込んだ。もちろんそれらは断片として記憶に残っているけど、今も鮮明に残っていて、なお関係が続いているのって、人間関係だ。

今日は仕事で自社の学生向けイベントの運営を手伝いました。今の学生って、もしかしたら自分が学生だった時よりも、チャンスを集中に収めやすい環境にあるのかもしれない。自分たちのころはmixiや団体のメーリングリストが全盛期で、自分の興味があるイベントをいっぱい探していたけど、今ほど容易にいろんな団体の活動を知る機会はなかった。だから、そういった情報に対して感度の高い人や、自ら情報をつかみとりにいく人じゃなければ、果実を得ることは難しかったのだと思う。けど、今はソーシャルメディアで情報が受動的に入ってくる環境を作ろうと思えば作れてしまう。いはやは、テクノロジーは利便性を生み出している。

一方で、情報共有の手法はもしかしたらあまり変わっていないかもしれない。自分が学生団体に携わっていた時はYahoo!グループで場所を作り、メーリングリストで情報を共有していた。累積メールは多分1000件以上はあったはず。当然、自分がどのメールを読むべきかを探しだすのが手間だったし、相当の時間を費やしていたと思う。自分は直接関与しないけど、進ちょくは確認しておかないといけない。だから、メールにざっと目を通すけど、1つ1つのメールを開封するのは極めて非効率で、常に距離を置いていた。今も多くの学生団体が、非効率的なグループコミュニケーションをしているのかもしれない。単純に、時間と機会の損失になっているのなら、もったいない。

さて、今日のイベントの話。学生団体の活動と情報共有の手法をプレゼンテーションしあう場で、そのレベルはとても高い。メールには頼ることなく、Webサービスを使って地域・組織・世代の壁をやすやすと超えて、Webを1つの情報共有基盤として適切に活用していた。そのWebサービスにアクセスすれば、ファイルも、ディスカッションの経緯も、グループのToDoも、みんな閲覧できる状態。しかも団体のメンバー全員が同じサービスを活用し、同じ画面を見ているのだから、抜け漏れがなくなり、グループコミュニケーションが円滑になる。引継ぎなど、メールが回避できない問題もやすやすと解決し、質の高いプロジェクトを動かしていた。

プロジェクトや団体活動の成否はツールではなく、グループのコミュニケーションややりとりが握る。言い換えれば、ツールボトルネックになってはいけないのだ。自分が団体活動をしていた時も、こんなWebサービスがあればいいなって、イベントを見ながら思っていた。多分、もっともっと、Webサービスは進化するし、グループコミュニケーションはいい方向に進んでいく。学生の発表内容から、そう強く感じた。