事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

Webディレクションは調整ではない。プロジェクトの伝書鳩からマエストロへ

今の仕事に就いてから、Webサイトの受発注やリスティング広告の運用管理など、Web担当者としての仕事が増えています。会社では「プロモーション担当」となるのですが、個人的には「Webマーケティング担当者」という意識をはっきりと持って、キャリアの形成をしていきたいものです。 

さて、今の仕事で少しコツをつかまないといけないなと思っているのが、ディレクションです。例えばチームがWebサイトを製作会社に発注する場合、Web担当者はマネジャーと制作担当者のコミュニケーションを円滑に進めるためのディレクションが求められます。

現在進行形のやりとりから感じるのは、Webサイトを制作する目的や意図などを、言葉で的確かつ分かりやすく伝えることの大切さです。

例えば、発注側にある企業文化やこれまでのプロジェクトの経緯といった共通認識は、社内ではわざわざ言語化しなくても関係者に伝わります。しかし、社外の人に細かなニュアンスを含め、完璧に伝えるとなると、とたんに難易度が上がります。共通言語をただ文章に落とすだけでは、相手に伝わらないことの方が多い。これを経験則として学びました。

ディレクションは調整ではない

つまり、ディレクションが「調整」になってはいけないということです。マネジャー、制作担当者の言葉をそのまま鵜呑みにして融通しあう伝書鳩ではなく、双方の言葉の裏側にある意図を読み取り、「自分はこう思う」「この方が成果が出る」という考えを持った上で、最善策を伝えるマエストロとして振る舞う必要がある。調整ではなく、利害関係者をつなぎながら常に最善策を考え抜き、正しく伝えることが大事です。 

このブログでは「伝える、動かす」というマーケティングコミュニケーションについて、思うところを書いています。そしてその能力は、マーケティングやプロモーションだけでなく、プロジェクトやディレクションでも前提として求められるのです。

ひとたびコミュニケーションのロスが生じた場合、そこで火の元を絶っておかないと、後になって消炎することは至難の業。プロジェクトの始めの段階でプロジェクトの目的や意図をかっちりと定めておき、プロジェクトが進む過程でどんなことが起こっても、当初の目的に沿って改善を進めていかなければいけません。

目指すは脱・伝書鳩、そしてプロジェクトのマエストロへ。仕「事をする上で大事なのはコミュニケーション」。使い古されてきたこの言葉の重みを、ようやく実感できるようになりました。

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