事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

慣れ親しんだツールを捨ててみる

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2011年11月8日(火)。

「メールは生産性を下げるツールだ」。ここ数年、ずっとこう思ってきた。受信ボックスに1つずつメールが溜まっていくのはとても面倒。後で読み返して返信をすればいい、と思いがちになるし、処理したメールを消去する時間がもったいない。必要なメールを探し出すのは骨が折れるし、重要なものとそうでないものを自動で仕分けることもできない。これが個人の問題なら、設定や使い方を工夫すれば済むが、会社全体がメールを使っていると、生産性の総和は大きく損なわれる。

今の会社では、社内メールを送りあうことは皆無だ。グループウェアのメッセージや掲示板機能を使い、1つのスレッドにテーマを設定し、関係者全員で書き込みができるようになっている。送信や返信というメッセージ単位ではなく、スレッドという固まりで情報を探せるので、どこにどんな情報があったかというあたりが付けやすい。自分が直接関与していないテーマは、1日1回スレッドを確認するだけでいいし、ファイル添付も楽だ。社内メールは使わない、という社内文化が徹底されていることはありがたい。

こういったやりとりを、社外のプロジェクト担当者とも行なっている。無料のWebサービスを使えば、ソーシャルネットワークやグループコミュニケーションツールと同じように、情報が共有できる。更新情報はヘッターやフッターにチェッカー表示され、すぐに更新情報を確認できる。フィードは絶え間なく流れていくから、情報を見た瞬間に返信や処理をする。後で読み返すという発想にそもそもならないので、意思決定や判断のスピードが劇的に早まる。当然、プロジェクトの速度は早まり、物事が進んでいく。このスピード感に慣れてしまったら、もうメールには戻れなくなる。

生産性を上げるツールを使えば、仕事はもっと早くなるし、マルチタスクも難なくこなせるようになる。慣れきってしまったメールを捨て去ることは想像もできないかもしれないけど、捨てる決心さえしてしまえば、仕事は進むようになる。慣れ親しんだツールやノウハウを変えてみるのも、いいかもしれない。