事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

Webデザイン受発注を成功に導く「発注側」の心得

[caption id="attachment_3149" align="aligncenter" width="640"]Web Direction photo credit: overlobe via photopin cc[/caption]

今週はデザインの受発注について、実践を通じて考える毎日だった。より良いデザインを生み出すためのコミュニケーションの在り方、コトバと文章を通じた受発注側の共通理解、きめ細やかな指示など、実践を通じてWebディレクションの基礎中の基礎を学んでいった。

Web発注側が本当に注意すべきこと

「横300ピクセルのバナーを掲載します」。この要件を受けた自分は、GoogleAdWordsに出稿している縦250ピクセルのレクタングルバナーを想定し、バナーのラフ案を作成した。だが、よくよく聞いてみると、掲載するクリエイティブはバナーというよりは、コーポレートロゴを入れたシンプルなもの。自分が想定していたものと、相手が求めていたものがはっきりと違い、ラフ案作成の30分を浪費した形になってしまった。

文字によるやりとりでは、このような認識の齟齬が簡単に生じてしまう。中途半端な理解はコミュニケーションロスとなり、結果的に多くの時間を費やしてしまうことになる。参考ページやプロトタイプを共有しながら、受発注側が同じ理解をするまで要件を整理しないと、受発注側の双方にとってよろしくない。字面だけを追うコミュニケーションは、双方にとって害悪だ。ここに気付けたのは大きかった。

このロスを解消するには、コトバと文章で完璧に意思疎通をしあわなければならない。発注側は社内で何度も依頼内容を検討しているが、受注側はそれらの背景をまったく知らない。だからこそ、発注側は最初のコミュニケーションで、依頼の背景やコンセプト、こだわりの部分まで、余すところなく伝えなければならない。文言1つの修正や削除でも、なぜ変更するのかという思考をコトバにして伝えることで、いいデザインが出来上がる。

発注側がWebディレクションの成功に向けて考えるべきこと

発注側はディレクションが主な仕事だ。デザインの細部や流行を知っておくにこしたことはないが、デザインの細部までをチェックする必要はない。デザインを通じてどういった課題を解決し、ビジネスでどんな成果を出したいかを掘り下げて伝えれば、デザインの工夫は受注側に考えてもらう方が、結果的にいいクリエイティブが出来上がる。

ウジトモコさんの『視覚マーケティングのススメ』によると、発注側がディレクションを成功させるために知っておくべきこととして、(1)情報のディレクトリ化、(2)優先順位、(3)方向性の決定――の3つが挙がっている。これはメッセージやビジュアル、コンテンツを階層化し、どれを出すとユーザーに突き刺さるかを精査し、ビジネスの目的をデザインで達成できるかを考えるということにほかならない。発注側として、勉強を続けたい。