事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

NPOマーケティングフォーラムで考えた、手段を再考する大切さ

NPOマーケティングフォーラム

NPOマーケティングフォーラム2011」に出展側として参加した。NPOを運営していくに当たり、Webサービスツールをどう活用するかを伝えるのが今回の仕事だ。10分間のプレゼンテーションと3時間のブース相談。普段NPOにかかわることのない自分が、「サイボウズLive」というツールを通じで団体活動の推進にどう寄与できるか考えさせられるイベントになった。

ブース相談を受け、浮かび上がってきたのは、「情報共有ツールにはいまだメールが使われている」という事実だ。メールは1対1の情報伝達には向いているが、1対Nの情報共有になった途端に、その利便性が著しく低下する。メールの大本は「手紙」であり、多人数の情報共有を意図するものではない。チームの情報共有やプロジェクト管理を目指す場合、メールは目的達成の障壁となってしまう。

「確かにコラボレーションツールは便利だ」という声は良くいただく。自分もメールによる情報共有にはもう戻れないし、コラボレーションツールを使うことで生産性が大きく飛躍することを知っている。だが、慣れ親しんだツールと完成してしまった働き方を変えてもらうのは容易ではない。

多くの人は業務を効率化するよりも、ツールを変えることを手間だと思ってしまう。自分だってそうだった、「手間が掛かるけど、仕事が進まないわけではないし、まあ今のままでもいいか」とずっと思っていた。

でも、もし情報共有がうまくいかないと思っているなら、メールを使い続けることは得策ではない。複数人での情報共有に適したツールを使った方が、チームの目的は容易に達成できる。プロジェクトごとに区分けされたスペースに限られた人だけが参加し、簡単に大事な情報を共有できてしまう。目的達成のために、道具(手段)を積極的に変える視点は、多くの人が持っておくべきだと思っている。

慣れ親しんだ働き方だが、自ら変えてみることで、思わぬ効果が得られることもある。ツールに拘泥することなく、目的を達成するための手段を再考してみることをお勧めする。