事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

Web担当者としてのキャリアとスキルの軌跡 -前編-

2011年、一番振り返っておきたかった仕事の話。今年は、「Web担当者として、Webマーケティングを主軸にしたキャリアを作る」ことを旗頭に、青雲の志を持って仕事に取り組んできた。果たしてそれはどの程度まで実現したのかを振り返る。仕事は「コンテンツマーケティング」「広告・プロモーション」「Webディレクションアクセス解析」「プレゼンテーション」「ユーザーサポート」に大別できる。

コンテンツマーケティング

主にWebコンテンツを作る仕事だ。ブログメディアのコンテンツ更新、プレスリリースの作成、事例取材の記事化、ヘルプページのコンテンツ追加などを手掛けてきた。特に事例取材とプレスリリースは、これまでに培ってきた編集・ライティングの力が求められていたので、まずはここで成果を出すことを心掛けた。作ったコンテンツは20本以上、月に5本程度のアウトプットを出す結果となった。

Webコンテンツでは特に、ソーシャルメディアで共有してもらえるコンテンツ作りを意識した。かつてメディアにいた当時は、題材が面白いコンテンツを出せばある程度ソーシャルメディア上でシェアしてもらえた。だが今は企業をメディア化しようとしている途中。共感を呼ぶコンテンツを作らなければ、ユーザーには届かない。そこを苦心しながら作ったコンテンツは、メディア時代に出していたコンテンツとはまったく別の形になったが、ソーシャルメディア一定の評価が得られるようになった。これを意識していきたい。

KPIは「TwitterFacebookはてブ=100以上」となるコンテンツを作ることとする。バイラルが起こりやすい母集団に対して取材を率先することが行動指針になる。共感を得られるコンテンツ作りに徹し、ブログメディアだけでは到達できない層にコンテンツを届け、サービスを知ってもらうためのきっかけを作っていく。ソーシャルメディア上でシェアされるコンテンツは、結果としてSEO効果にもつながってくる。KPIとしては、サービスの名称に対する月間の検索ボリュームについて、1年間で現在の倍増を狙いたい。

広告・プロモーション

Webを中心とした広告、プロモーション施策に関連するものだ。専門用語にすると、リスティング広告、Webキャンペーン、他メディアとのタイアップや協賛などが当てはまるだろう。リスティング広告ではGoogleAdwordsのコンテンツターゲティング広告を運営し、実践を通じて理解を深めていった。

Webキャンペーンでは、メディアと組んだり自社で専用サイトを作ったりして、プレゼントキャンペーンを実施してきた。またイベントの協賛を通じて、自社のバナー広告を協賛先のメディアやWebサイトに掲載することもあった。Webキャンペーンは、自社だけではリーチできないユーザー層に対して情報を届けるための働き掛けといえる。自社サイトではないのできちんとした数字が取れず、結果としてKPIを定めにくいのが難点だ。

Webディレクションアクセス解析

上記広告・プロモーション施策とも少し重複するが、自社サイトの刷新やキャンペーンサイトの作成に向けて、ワイヤーフレームやコンテンツ、デザイン案を作る仕事だ。ビジネスの目的からサイトの構成やコンテンツ、デザインを決め、形を作る仕事だ。現在の仕事に就いてから、この業務が一番難易度が高く、チャレンジングだった。ユーザーの気持ちを把握し、どうすればビジネスのゴールを達成できるかを0から考えていかなければならず、モノマネやコピーが一切通じない仕事だ。幾つかサイト構築を手がける中で、注意すべき点や外してはいけない点などがうっすら見えてきた状態だ。そして作ったものをきちんと解析して、問題点を可視化し、最適化につなげていく。

「現場の作業者にならない」ことを強く意識してきた。Web担当者としての仕事は守備範囲が広く、ついすべてを自分で担当してしまいがちになる。だが「作業」の量が増えれば、必然的に考える時間、ビジネスを推進する時間は奪われてしまう。デザイン、コンテンツ、レイアウトなど、各分野の専門家は社内外にたくさんいるので、その方達の力を借りながら自分はサイトの目的や価値を達成することを考え抜いてきたつもりだ。そしてそういった姿勢こそが、Web担当者に求められるものである。Web担当者は常にビジネス視点で目的達成に向けた行動をし続けなければならない、それを経験できたのが収穫だった。

WebディレクションのKPIとして、自社サイトの来訪者数を1年掛けて2倍にすることを考えている。ここ1年でコンバージョン率を2倍にしたいと考えており、それを達成するには新規訪問者数を単純に2倍以上にしなければならない。サイトを作って終わりではなく、数値を明確に定めることで、PDCAが素早く回せるし、改善点も見つけやすい。Webディレクションアクセス解析は2012年に完璧にマスターしておきたい分野だ。

1回にまとめて書くつもりだったが、分量が思いのほか膨れ上がってしまった。残りの「プレゼンテーション」「ユーザーサポート」の振り返りは明日のブログで記そう。(Web担当者としてのこれまで、そしてこれから -後編-)。