事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

良質な経験を伴う自己投資

2012年は身銭を今まで以上に切り、自己投資をしていく。これまでは物欲もなく、できるだけお金を使わない生活を心掛けていたこともあり、質素な生活をしていた。使うお金はご飯と飲み会くらい、それはそれで楽しかった。だが、今になって価値観ががらりと変わる。経験に勝るものはないという悟り、そして良質な経験には投資が伴うということだ。

Webの世界に身を投じると、たいていの経験は無料で手に入れられる。そうして得たコンテンツや時間で、世界を経験した気になってしまっている。だが、心体にはほとんど残らない。半生を省みると、記憶の断片として残っているものは経験という形で心体に刻まれたものだけだ。至高の経験をするには、お金と時間の投資が必要だ。追体験ではなく経験をモットーにしていきたい 

時間に対する考え方も最近になって変化した。時間だけは、誰もが平等に与えられるものだ。だが、同じ年月を生きてきた人でも、経験の密度には彼我の差がある。密度が濃い人は、時間に投資する感覚を持って毎日を生きてきた人だろう。時間は有限であるということに気づいた人だけが、時間を無駄なく使えるようになる。自分は最近それに気づいたのだが、時は少し遅しなのかもしれないが、お金で時間を買える場面もある。そこに惜しみなく投資をしていきたい。

モノと所有の観点でも論じられる。2011年に捨てる力を見につけ、くまなき断捨離を実施した。大胆にモノを捨てる過程で、どうしても捨てられないものが幾つか出てきた。その多くは大枚をはたいて購入した思い入れのあるモノばかり。物品だけでなく、価値やブランドを購入したのだとその時に気づいた。そういったモノは経年しても劣化しないものばかりだった。安物買いは銭失いと再認識するとともに、5年、10年と使っていけるモノだけを所有したい気持ちが高まった。それらは得てして高価格だが、「ずっと使う」「生活が豊かになる」経験が得られるものだと思えば、実は安い買い物である。

言うなれば、お金の使い方を抜本的に変えるということだ。良質な自己投資は良質な経験を生み出し、生きる糧となると信じている。自己投資の仕方が完璧に変わった時、今まで見えていた風景はまったく別の世界に変わるだろうか。変化が今から楽しみだ。