事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

Cの世代と消えた焦燥感

大阪への6日間の帰郷で、十分すぎるくらい休息を取った。普段は1日中Webと戯れているが、実家では極力PCに向かわない生活を心掛けた。せわしない日常から自らを解き放ち、幽玄ともいえる時間の中で、普段は仕入れない情報を体に染み込ませ、今後について考えた。 

世界は今比類なきスピードで変化している。Webを通じて人がつながり(Connect)、コミュニティーを重視する(Community)。変化(Change)をいとわず、新しい価値を作っていく(Create)。日経新聞2011年1月1日の特集では、こうした新しい価値観を持って行動する人々を「Cの世代」と定義した。実際Webの世界に身を投じると、Cの世代が世界を突き動かしていることを体感する。

NHKで放映されていた「ハーバード白熱教室」という番組を見た。大学生が流暢に英語を操り、多国籍の人たちと議論を交わす。人種という枠組みを超えて議論の熱気は冷めやらない。世界規模でのつながりが日常に入り込んでくる。ジェネレーションCの台頭をまざまざと見せつけられた。

旧友から、同年代の知り合いが着実に梯子を上っている知らせを聞いた。結婚をして家庭という守るべきものを持った知人もいた。人生はさまざまだが、自分にない経験を積んでいる人の話を聞くと、奮い立たせられるとともに自分の今後について思いを馳せた。

こうした潮流の船頭に立たないといけないと思うこともある。悠久の時間の中で数年後の自分がどうなるかを考えてみたが、しばらくして考えることを止めた。目の前には、挑戦しなければならないことがたくさんある。その仕事に全力で打ち込んでいると、数年後の自分について考えている暇はないことに気付いた。

例えば今自分が携わっているサービスを普及させることができれば、人々の働き方や習慣を良い方向に変えることができると信じてやまない。目の前のことに全力を注いでいれば、未来のまだ見えぬ不安に心が動かされることもない。易きに流れず、己の信ずる道をただ突き進むことしか今は考えられない。今やるべきことをすべてやった上で、新しい道が開けるようであれば、それに邁進することも悪くなかろう。

2011年の経験を通じて、自分が進みたい道が見えてきた。数年前のように誰かと比較をして、焦燥感を感じることもなくなった。結局自分が信じる道を淡々と突き進むことで答えは見えてくると腹をくくった。この生き方の方が、生き生きと毎日を過ごしていける。軸がぶれることがなくなったのは、1つの成長の証である。