事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

ソーシャルデザインとマイプロジェクト

ソーシャルデザイン 』はアイデアの宝物庫である。「社会の問題を楽しく解決すること」を目指したプロジェクトの成功事例が散りばめられており、気付きがたくさんある。

タバコではなくシャボン玉をふかす場所を作った「東京シャボン玉倶楽部」や1枚のチラシで28万人にプロモーションを実施した事例、スピードを順守することで宝くじが当たり、スピード違反を減らせる取り組みなど、身の回りにある課題をアイデアの力で解決できるさまがよく分かる。

これらの切り口は、社会の問題に対して当事者意識を持つことから始まる。この視点はミクロであり、着手しやすい。「社会問題」とか「グローバルな課題」とすると、自分ではどうせできないと思ってしまうが、身の回りの問題を自分ごとととらえて解決するという視点だと手を付けやすい。人の思いに立脚した「マイプロジェクト」から始めるというスタンスは、多くの人にとって共感しやすい。自分もその一人だ。

ソーシャルデザインという考え方を知っておいて損はない。身近な問題を解決できれば素晴らしいし、アイデアは、何度も考えることで形になる。課題解決のために考える癖が身につくし、どう考えればいいかについてのヒントがこの本には満載だ。

指を加えて待っていても明るい未来は訪れない。結局今生きている自分たちが行動することでしか、新しい未来は切り開けない。そんな当たり前のことを『ソーシャルデザイン 』は教えてくれる。 

ソーシャルデザイン (アイデアインク)

ソーシャルデザイン (アイデアインク)