事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

ソーシャルログインの威力――利便性、信頼度を高め、つながりを生む

ソーシャルログイン

Facebookなどのアカウント情報を使ってログインをする「ソーシャルログイン」を採用するインターネットサービスが増えている。最近気になったサービスの多くはソーシャルログインの仕組みが実装されており、Facebookアカウントとの連携を許容すれば、Facebookアカウントとの連携といった数クリックの操作のみで、簡単にサービスの利用を開始できる。

自分のFacebookアカウントのアプリ利用画面を見ると、10以上のインターネットサービスのアプリを連携していた。それだけのインターネットサービスでソーシャルログインを実施していることになる。

サービスの認証ではメールアドレスとパスワードの入力が常套だったが、Facebookアカウントとの連携を済ませておけば、次以降にサービスを開始する際はFacebookログインボタンを押すだけ。この簡便さに一度慣れてしまうと、なかなかメールアドレスとパスワードの入力という認証手法にはなかなか戻れない。

ソーシャルログインに対応したインターネットサービスは、プラグインを活用することで、自分の知人がそのインターネットサービスを使っていることをWebサイト上などで明示できる。これはそのインターネットサービスに対する信頼度を上げる役割を果たす。

知人が実際に使っているサービスなら、自分が使っても大丈夫という暗黙の認識ができてしまう。知人が勧める口コミ情報に注目してしまうことと同じだ。Facebookが明らかにした知人と知人のつながりの威力は、本当に大きなものだと実感する。

ソーシャルログインとユーザーのウェブサイト閲覧時間の関係」(E-guardian)によると、ソーシャルログインした企業サイトの閲覧時間は、ソーシャルログインなしで閲覧する時間よりも50%長いという調査結果も出ている。

ログイン後にソーシャルプラグインを使って知人とやりとりができることがその原因だそうだ。通常のログインは自分自身がインターネットサービスを使うという用途で活動履歴が閉じてしまうが、ソーシャルログインではログイン時のアクティビティがソーシャル上に伝わるため、知人とのコミュニケーションを誘発する。サービスを使うという行為が、知人とつながるというオープンな用途をいつの間にか生み出す。

ユーザーの利便性とサービスへの信頼度を高める、そして知人とのコミュニケーションの媒介となる。これらの成果が得られるからこそ、多くのインターネットサービスがソーシャルログインを実装するのだろう。