「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」、キラキラしていない人こそ企画に向いている
「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」という福里真一さんの本を読んだ。ジョージア「明日があるさ」やトヨタ自動車「こども店長」など、記憶に残るヒットCMを数々生み出してきた元電通 CMプランナーの企画の話だ。こういったたぐいのビジネス書を読む時は、「自分の仕事に1つでも生かせる点があれば成功」と思って読む。その視点で得られたものを幾つかかまとめておく。
記憶が企画に結びつく
福里さんいわく「自分はキラキラしている人ではなく、電信柱の陰から見ているタイプの人」。そういう人こそ、直面するさまざまな場面を俯瞰的に見て、記憶をすることができる。企画とは、自分の記憶や蓄積からしか生まれないものであり、その記憶の引き出しが多ければ多いほど、良い企画が作れる。
キラキラしている人よりも、一歩引いて全体を俯瞰して、記憶し、世間の人の気持ちになって新しいアイデアを生み出す仕事こそ企画の仕事。こういう定義をしているのが面白かった。「アイデアは記憶の組み合わせから生まれる、ゼロから考えても何も生み出せない」という趣旨はアイデア本・企画本で語られる定石であり、自分の中ではそれがきちんと裏付けされたという認識になった。
すぐに手を動かせるTipsは書いていない
すぐに手を動かして企画を作ろうといったたぐいの本ではない。「こう発想しよう」とか「こう企画しよう」というTipsは一切書かれていない。著者の企画に関する考え方をトレースしながら、生かせるものは生かそうという視点でこの本を読まないと、得られるものは少ないと感じた。
CMプランナー福里真一が書きました 困っている人のためのアイデアとプレゼンの本
- 作者: 福里真一
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2014/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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