事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

カカクコム、スタートトゥデイ、クックパッドの仕組みは強い

2011年6月8日(水)。本日の日本経済新聞15面「専門サイト7社の今期 5社が経常増益に」という記事が興味深かったです。専門サイトを運営しているスタートトゥデイ(ネット通販)、カカクコム(価格比較サイト)、ぐるなび(飲食店情報サイト)、ゴルフダイジェストオンライン(ゴルフ専門サイト)、エキサイト(ポータルサイト)、クックパッド(料理レシピサイト)、一休(宿泊予約サイト)――の7社を取り上げて、消費者動向から経常利益について論じています。

経常利益で目立ったのはスタートトゥデイ(85億円)とカカクコム(95億円)。ともに300人未満の従業員数であり、利益率の高さが目立ちます。ともに専門分野に特化したWebサイトを作り、売りたい企業と買いたい消費者をつなげ、手数料で稼ぐビジネスモデルであり、人員を投与しなくても勝手に儲かる仕組みができあがっている点が見事だと思います。もちろん、安定した収益を上げられるようになるまでに数年を費やしており、今に至るまでに幾度となく改善が施されてきたのでしょう。こういった仕組みを作るには、ユーザーのためになるサービスを運営し続けるという覚悟と実践が何より大切であることが伝わってきます。

有料課金を行わないWebサイトでは、ユーザーのニーズを満たす場所作りを長く続けることが肝になるのでしょう。新しいサービスをやみくもに立ち上げるのではなく、1つのサービスやサイトにこだわりつづける企業努力の背景が見え、胸を打たれます。主婦層というセグメントの囲い込みに成功したクックパッドの経常利益は19億円。売上高が45億円なので、高収益体質といえます。

これらの企業は、Webの儲け方の1つである広告収入に頼らずに、利益を拡大できるビジネスモデルを作っている点が秀でていると思います。消費者も、Web上で商品やサービスに関する情報を探す場合は、Googleなどの検索に頼るよりも、これらの取次サイトにアクセスした方が良いということを理解しています。ユーザーは手軽に必要としている情報にアクセスでき、サービスを提供する企業もそういったユーザーを集客できる。結果として取次サイトを構築している企業も儲かる。「ユーザー」「クライアント企業」「事業会社」の3つがそれぞれハッピーになる仕組みは強く、素晴らしいですね。

ナンバーワン企業の儲けるしくみ

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