事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

本当に必要とされるコンテンツを作るには?――マーケティングコミュニケーション基礎

昨日アップしたブログ「マーケティングコミュニケーション論考」に関連する内容で、コンテンツマーケティングという手法が今後、多くの企業で重要になってくるのではないかと考えています。平たく言えば、オンライン、オフラインを問わず企業が保有するさまざまな資産をコンテンツ化し、ユーザーや顧客に伝えることで、商品やサービスの購入、ブランディングの強化につなげるものだと理解しています。

コンテンツマーケティングを構成する手法や要素は複数あるのですが、その中でも基本となるのは文書作成能力でしょう。Webサイト上のコンテンツの多くは、いまだ文字による文章が主流。コピーライティングやメールマガジン、読み物コンテンツによって企業のブランド価値を向上させる手法は、今も廃れずに第一線であり続けていると思います。

自分は前職で「誰に何を伝えるか」という点をどう意識してコンテンツを作っていたのか、このブログではそれを振り返ってみることにします。実際、きちんとした記事が書けるようになるまでに要した時間は1年以上です。その際に何を考えていたのかを残していきます。

王道は存在しない、練習あるのみ

記事コンテンツ作成の鍛錬に終わりはありません。書いて、公開して、また書いて、公開する、の繰り返しです。素早いインプットとアウトプットを繰り返すことでしか、上達は見込めないのです。私は多いときでは1日5本以上コンテンツを書いていましたし、一時期は毎朝出社してからの15分を、新聞記事のタイピングに充てていました。圧倒的な練習量がコンテンツの質を担保するのです。

早さと質は両立する

 「とにかく早く書いて」――記事を書くときに先輩に何度も受けた叱咤(しった)です。Webメディアでは記事を早く書けば書くほど、二次配信先のポータルサイトに掲載されやすくなり、結果として外部からの流入者数が増える傾向がありました(今はどうか分かりませんが)。1秒でも早くコンテンツを更新することが必須だったのです。 

一方で、時間を掛けて作った記事は、総じて質が低いものになりがちです。また時間が経ってしまうと、取材や調査で感じたおもしろさや高揚感が薄れてしまいます。コンテンツを作る際には、書き手がおもしろいと感じた点を伝えることは鉄則。記事の鮮度・質と、コンテンツを仕上げる早さは比例すると考えています。

記事構成がないと書けない 

なんとなくタイピングを進めていても、記事は出来上がります。しかし、そういった記事の多くは要点が明らかではなく、何が言いたい記事なのかが見えにくくなります。記事コンテンツを作る際には、記事構成を紙に書き出してみることをお勧めします。 

記事構成とは、見出しと小見出しを考え、それに基づいて書く内容を選別していく業務のことです。書くことを最初に決め、それを可視化しておくことで、記事を書く上での迷いがなくなり、情報の思い切った取捨選択が可能になります。100聞いたことをそのまま書くのではなく、1を書くために100を聞く(調べる)というスタンスを採ることが重要といえるでしょう。

音読する、寝かせる

文字数が2000字以上のコンテンツを作る際には、完成した記事を音読したり、一晩寝かせて翌日に再編集をするといった工程を踏んだほうが、確実に質が高まります。まずは音読。書いたコンテンツを声に出して音読すると、文字を目で追うだけでは察知できなかったリズムの乱れ、言い回しの不備に気付きやすいです。音読しながら、別の表現や言い回しを思いつくこともあります。 

コンテンツを書き上げた状態は一種の高揚感がつきまとい、記事内容を冷静に判断できなくなってしまうものです。読み返しをする際に必要なのは主観ではなく客観。記事を一晩寝かせて、別人格になったつもりで記事を読み返すことで、より客観的で伝わる記事コンテンツの作成が近づきます。

自分はざっとこんなポイントを意識して記事を作っていました。細かい点を挙げればキリがないのですが、コンテンツ作成レベルの向上に欠かせないのは、インプットとアウトプットの繰り返しです。

 

カール教授のビジネス集中講義 マーケティング

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