事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

広告・プロモーション、Webディレクションを最大化する

[caption id="attachment_3205" align="aligncenter" width="640"]Webプロモーション photo credit: giulia.forsythe via photopin cc[/caption]

新しい仕事に就いてから約半年の間で、ToDoとして完了したタスクは約36個だった。1カ月当たり6個の施策を実施していることになる。粒度はばらばらであり、1日で終わるものもあれば、数カ月を掛けて実施にこぎつけるものもあった。それぞれの成果を数値化することは難しいが、振り返りなき施策は次に生かせないので、少し強引に過程と成果をまとめてみる。

コンテンツマーケティング

プレスリリースやブログメディアのコンテンツを作る仕事だ。Webメディアやブログのコンテンツを増やすことで、露出度を高め、新規ユーザーの獲得と既存ユーザーへの情報提供をすることが狙いだ。プレスリリースやWeb記事の作成には、2時間程度で終わるものから、12時間くらいを費やしたものもあった。プレスリリースは社内の決済が必要になるし、事例記事は取材と長文執筆があるため、どうしても一定の時間を費やしてしまう。コンテンツ作成に関するタスクは約20個。リソースの5割以上を費やしていたことになる。

成果はすぐには見極めにくい。Webで公開したコンテンツがすぐに新規ユーザーの獲得にはつながらないことは承知している。ローカル検索のボリューム数や検索結果の上位表示といったSEOへの寄与を、継続的にモニタリングしていかなければならない。期間は半年、1年単位で見るのが適切だ。成果がすぐに把握できない業務であり、長期的に継続していくというスタンスが求められる。タスクの数は減らせないので、別の仕事の数を多くして、比率が4割程度に収まるようにしたい。

個人的には、読み物やプレスリリースを書く能力は前職で十分な時間を掛けて習得した。ある程度はできるという自覚もある。Web担当者としては、ライティング以外の力を強化していく必要があるので、スキルをチーム内にうまく伝承していかなければならないと思っている。一方で2012年も引き続きライティングの仕事が求められるはずだ。個人のスキルアップという観点も大事だが、所属しているチーム全体で成果を出していくことが先決だ。この当たりは、うまくバランスを取っていきたい。

広告・プロモーション

リスティング広告、バナー・キャンペーンページ制作、他社・他団体との協賛などを進める仕事だ。約2割のリソースを費やした。広告・プロモーションの仕事はリスティング広告を除くと、チーム以外の人と協同して仕事を進めていくものだ。その分、調整や情報共有といった細かな段取りが多く発生し、イシュー以外の部分に時間を割く場面が多くなる。

調整部分ではプロダクトマネジャーとの意識合わせ、方向性の共有の時間を最小化していきたい。最初の3カ月は意図的に共有の時間を多く取り、判断基準や方向性を何度も確認してきた。後の2カ月はそれらを守りながら、極力自分で決定を下すようにしてきた。12月下旬に実施したスポンサードイベントは、プレゼンテーションやセッション、コンテンツの内容などを自分で決め、マネジャーの時間を奪わないように務めた。自分で決定する範囲を広げていくことで、当事者意識を持ってビジネスで決断を下せるようにすることで、チーム全体で実行できる仕事量は増えていく。これを狙いとしていきたい。

外部との調整は、ある程度の時間を確保しておかないと進まないので、どれくらいの時間が掛かるかの見通しを立てて、自動化できる部分は自動化していきたい。

ユーザーサポート

着手した当初は時間を多く取っていたが、テンプレート化を進め、Aという回答が必要な場合にAという回答をすぐに取り出せるように仕組みを作ってきた。これが奏功し、約3カ月を経て時間のロスを半分以下に抑えられた。つまり、2倍の量の仕事をこなせるようになったということだ。特に問い合わせについてはこちらでコントロールできないものなので、毎日1時間と時間を区切って淡々と回答をしていくようにしたい。

ともすれば「作業」になりがちな仕事だが、ユーザーとの対話の積み重ねはきずなを生むと信じている。真摯に対話を続けていくことで、ウッフィーも蓄積されていく。意義ある仕事だという意識を強く持って、毎日淡々と成果を出し続けていきたい分野だ。

Webディレクション

仕事全体としては1〜2割程度の配分だったが、学びが一番多かった仕事だ。Webサイトは長きにわたってユーザーと接触するメディアであり、Webサイトを通じてユーザーは企業やサービス、ブランドの印象を持つ。どういった印象を持ってもらいたいか、サービスを使いたいと思ってもらうにはどうすればいいか、最終的に新規ユーザー登録や課題解決に結びつくかといったビジネス視点を常に織り込みながら、サイトを作り込んでいかなければならない。Webサイトを作ってみて初めて分かったこと、それはサイトは戦略やマーケティングを反映させなければならないこと。上記について限界まで考え抜いた成果がサイトというコンテンツ、デザインの集合体になる。

ここはトータルで1カ月程度を費やした。毎日考え、議論をして、形を作っていった。未体験の世界だったが、結果として一番勉強できたし、Web担当者として完遂したい仕事だったし、成し遂げた時の喜びと達成感は格別だった。これからは解析と最適化を通じて、サイトの価値を向上させ続ける必要がある。サイトディレクション、コンセプトメイキング、ストーリー・コンテンツクリエイションなど、Webサイト構築における各要素のレベルを上げていきたい。そのためにはインフォメーション・アーキテクチャーや受発注のコミュニケーションなど、学ぶ点がたくさんある。良いWebサイトを作り、そして残し続けていきたい。

1日という限られた時間の中で、できることを増やし、仕事の質と量を高めていきたいと思っていたが、省力化できるところはあまりなさそうだ。時間の割合としてはコンテンツマーケティング40%、広告・プロモーション20%、ユーザーサポート10%、Webサイトディレクション30%を目標としていきたい。そして広告・プロモーション、Webサイトディレクションの専門性を高め、Web担当者としてひとかどの能力を身につけることを目指そう。