事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

Web視点<ビジネス視点

2011年に起業した知人と話をする機会があった。企業向けWebサービスの開発に取り組み、今年中にローンチする予定とのこと。自分より3歳年下の彼が全身全霊を込めて世に送り出すサービスは、人々にどのような価値を与えていくか、正式公開が待ち遠しい。

 Webサービスのリリースにおいては、開発、デザイン、ユーザーインタフェース、ユーザー体験、マーケティング・プロモーションを一体化させていく必要がある。どれか1つでも要件を満たさないと、幅広くユーザーを獲得し、ずっと使ってもらえるサービスにはなり得ない。

新たに立ち上げたWebサービスは、サービスの質を常に改善しながら、アップデートを逐一ユーザーに知らせていき、それを媒介としてユーザー数を増やしていく必要がある。スタートトゥデイやカカクコム、クックパッドなど今ユーザーから支持を得ているサービスも、それぞれ起業から10年以上が経っている。一山当てるという考えよりも、長期的かつ継続的な改善が求められることは言うまでもない。

マーケティング・プロモーションに関しては、自分のわずかながらの経験をお伝えしたが、実際それが直接役に立つことはあまりないと感じている。実際にサービスの提供を開始すると、やるべきことが雪崩れるように出てくる。それは実際にサービスを運用した時に一番実感するうことだし、サービスごとに着手すべきマーケティング施策は異なってくるからだ。

1つ言うとすれば、WebサービスだからWeb施策を中心に考えてしまいがちになるが、Web以外の施策が大事だということ。ユーザーとのタッチポイントはWebだけではない。そのサービスを提供する中の人が実際に人と会い、良さや価値を伝導していくことも重要だ。施策の実施がWebの世界だけに閉じてしまわないように、自らがメディアとなってサービスの価値やストーリーを伝えていくことで、Webでは到達できないユーザーに出会っていける。

この発言は、自分に向けたものでもある。Webマーケティングを中心とした仕事をしていると、どうしてもWeb視点で物事を考えてしまう。だが、根本はビジネス全体の最適化であり、Web施策の最適化ではない。目的を達成するために何をすべきかを、Webとリアルな場の両方で考え、実行していかなければならない。Web視点ではなく、ビジネス視点を。常に忘れないようにしたい。