事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

自分らしさと社会起業をかけ合わせる実践の場

無料コラボレーションツールサイボウズLive」の事例記事を公開した。「社会の役に立ちたい」という人が、社会起業に向けた事業計画の立案について学べるビジネススクール「社会起業大学」でのサイボウズLive活用事例だ。

 

magazine.cybozulive.com

インタビュイーの安藤貴明さんによると、東日本大震災を経て、社会の役に立ちたいと思う人が増えている実感があるそうだ。企業で働いていると、企業活動は社会貢献という視点なくしては実現しないことを実感できるし、自分の仕事が周囲の人に影響を与え、必ず誰かの役に立つものであるという考えも自ずと備わってくる。そういった視点が企業勤めをしている人以外にも芽生えてきているのかもしれないと感じる取材だった。 

社会起業大学のようなビジネススクールは、思いを持ち始めた人が具体的にどう手を動かすかを学ぶには良い環境なのだろう。いくら崇高な思いを持っていても、それを実現できなければ画餅の枠を抜け出すことはできない。実践しないと何も物事は変わらないことは理解できていても、どこから手をつければいいかが分からなければ、多くの人は動き出すことができない。

社会起業大学では、社会起業の実践者とのワークショップなどを経験できるカリキュラムが用意されている。実際に手を動かしている人の考え方や実践について知れば、実際の動き方が分かってくることもあるだろう。 

また社会起業大学では、実際に社会起業をせずに、社会起業をする人の支援をする「サポーター」になる人も一定数いる。自分が先頭を走るのではなく、走る人をチームでサポートする。それだって、社会起業の実践の1つの形だと思うし、それによって社会起業に携わる人がより増えるのであれば素晴らしい。

インタビューでは、「社会起業を成功させるためには、自分自身の強みを把握すること」という視点も強調されていた。「社会の役に立つ」という言葉は具体性が少なく、まるっとしている。どの分野で何を対象に社会貢献をするかを突き詰めていくと、多くの受講者が自分の原体験から来る問題意識や好きなものにぶち当たることが多いという。

これは一人で考えるよりも、同じ課題意識を持つ仲間と議論をしあうことで明らかになりやすい。客観的に自分をとらえなおすことで、他の人が持たない自分だけの問題意識が見えてくる。「自分にとっては大したことがないことでも、他の人にはとてもためになる」なんてことは往々にしてあるものだ。

「社会起業」「ソーシャルビジネス」に関心を持つ人は、社会起業大学といったビジネススクールを体験してみることも一考だ。逡巡して結局何もしないよりは、一歩前に足を踏み出すことが大切だと思う。