事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

マーコム、自社メディア運営、ブランディングのWeb担当――「伝える」仕事への並々ならぬこだわり

最近、勉強会などで仕事の一部をプレゼンさせてもらう機会があった。お題は、Webを通じたマーケティングの手法やオウンドメディアの運営について。プレゼン資料を作っていると、さまざまなタスクを同時並行で進めてきたんだなあと感慨深くなる。

「今、どんな仕事をしているの?」とたまに知人から聞かれるのだが、答えに窮する場面も多い。一貫しているのは「利用者や読者に物事の価値を伝えて、行動してもらうためのアシストをしている」といった感じ。仕事内容は担当しているサービスやサイトの成長に応じて、絶え間なく変化する。

そこで、自分の仕事の比重がどのように変化してきたかを振り返りながら、これまでやってきたことを自分レビューしてみたい。視点は「Web/マーケティングコミュニケーション担当者」の仕事、である。

ネットサービスのマーケティングコミュニケーション担当

最初の仕事は、ネットサービスのマーケティングコミュニケーション担当である。サービスの価値を伝えるさまざまなコンテンツやクリエイティブを作り、現状のユーザーと未来のユーザーの手助けとなる何かを作る仕事だ。

コンテンツは活用事例、自社メディアの読み物コンテンツ、ニュースレター、プレスリリース、Webサイトのコンテンツと幅広い。マーケティングコミュニケーション担当者に「書き物タスク」が多いとされる理由は、実際に自分が担当者となったことでよく分かった。

サポートも仕事の1つだ。お問い合わせいただいたメールに返信をしたり、ソーシャルメディア上で何か困っている方がいらっしゃれば、それに返事を出してみたりする。これらのサポートは受動的/能動的と方向性は違うが、いずれも「困っているユーザーに解決策を提示して、より良いサービス体験をしてもらう」といった点では等価である。

イベントやセミナーでプレゼンをするのも、大事な仕事だ。マーケティングコミュニケーションの仕事はWebだけでは完結しない。Web上ではつぶやかれない情報が、ネットの世界を降りるとたくさん見える。また、ネットだけでは情報を届けられない場所に未来のユーザーがたくさんいると考える。その人達にサービスの価値を届けるためには、ネット以外の場所(人がいる場所)に足を運ぶ必要がある。

自社メディアの編集担当 

ネットサービスのマーコムをやりながら、自社メディアの運営にも携わり始めた。ここでは主にメディアを運営し続けるためのコンテンツを企画したり、メンバーの進ちょくを管理したりといった点が仕事になる。編集長の描くビジョンを達成するために、みんなの全体の仕事を円滑にしていく役割といったところだ。

メディアではない会社でメディア運営の体制を作る。記事企画を作り、ライターやカメラマンをアサインしながら、インタビュイーの取材日の日程を調整する。それぞれのアウトプットを編集しながら、コンテンツを形作っていく。エディトリアルにかかわるディレクション全体をカバーする仕事が多い。

ブランディング活動のWeb担当

何年も続けているブランディング活動にも携われるようになった。ここでは主に、ブランディング活動に関するWeb戦略を考え、仕事を進めていくことがメインだ。

Webサイトのリニューアルでは、HTMLサイトのWordPress化が最初の仕事だった。コンセプトを考え、ワイヤーフレームを書き、ディレクトリマップを作りながら、Webサイトのあるべき姿を形にしていく。制作会社への外注や社内のシステム担当者との調整など、さまざまな役割をまとめて1つのチームとして導いていく仕事である。

出来上がったサイトは、継続的に更新していく必要がある。定めたコンセプトとターゲットに対して訴求できるコンテンツを作っていくことが次の仕事である。ここは上記の「自社メディアの編集担当」とほぼ同じ仕事に取り組む。

公開したコンテンツの数字や反響を見ながら、次のコンテンツ施策を考えていく。アクセス解析やソーシャル解析といった定期的な数値のモニタリング業務も並行する。コンテンツやWebに接点を持ってくれた利用者がどう感じ、どんな感想を持ってくれたかをチェックし、次のコンテンツ施策に生かす。

同時に、Webサイトの価値を最大化する施策も考えていく。被リンク数を増やすにはどうすればいいかを考えたり、他社サイトと提携したりといったことに注力している最中だ。

一貫しているのは「伝える」仕事 

ネットサービス単体のマーケティングコミュニケーションから、自社メディアやブランディング活動を通じた認知施策へと、仕事の幅が広がっている。一貫してやっているのは「伝える」仕事である。「良いサービスや取り組み」は、それを多くの人に知ってもらえることで効力を発揮する。そこのきっかけを作る仕事に携われるのは、やりがいを感じる。

この仕事を始めてから、完了させたタスクの数を数えると162個だった。コンテンツ企画からWeb制作まで、タスクの粒度は大小さまざまだけど、改めてこれだけのさまざまな仕事を任せてくれる環境に感謝しなければ。次の課題は、それぞれの仕事のアウトプットを最大化していくことである。

マーコムやWeb担当者の仕事って、やることいっぱいだし、ずっと変化し続けていかないといけないし、本当に最高だ。