事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

坂の上の坂が教えてくれる「各世代で消えない壁と人生のエネルギーカーブの存在」

目の前のことに一生懸命打ち込みながらも、近くて遠い将来をどう生きるかを考えることは多い。例えば20歳の時はどんな30歳になりたいかといったことを考えることもあるはず。

 

周囲も自分もものすごいスピードで変化していくので、その場で答えを出すことは難しい。けど、その時に考えたことは自分のどこかに残っていて、ふとした瞬間にその時の考えを思い起こすことがある。 

今の自分から遠い将来を考えたい。そんな時に読んでみたいのが「坂の上の坂藤原和博・著)」である。知ったきっかけは同年代の知人がFacebookで読んだ感想をシェアされていたこと。

 

坂の上の坂

坂の上の坂

 

 

いずれの世代でも壁がそびえる、安泰はない

この本が示しているのは、30代、40代、50代といずれの世代になった時も、その時分に見合った乗り越えるべき壁があって、安泰や安心は常にないということだ。

リクルート事業部長クラスになり、その後学校の校長先生になって教育業界を改革している藤原さんが、「安心はない」という心境を吐露しているのが興味深い。これまで残してきた実績を見ると、働く人として明らかに成功している藤原和博さんであるにもかかわらず、だ。

人生のエネルギーカーブという考え方が本著では出てくる。30代、40代から下り坂、ではなく、50代、60代以降にもっと長い人生の坂が待っていて、そこに近づくに従ってエネルギーカーブを上向きにさせていこうという考え方だ。

60歳になったら定年といった考え方はもう通用しない。自分の仕事の線引は自分で決めるという覚悟が必要だし、人生をまっとうするまでエネルギーは上り調子でいく必要があるということだ。

定年で梯子を外されるな、コミュニティーを作れ

その他の指摘で興味深かったのは、「会社以外のコミュニティーに属していくことが必要」というもの。会社以外のコミュニティーがないと、会社勤めがなくなった時点(一般的には60歳)の時点で新しいつながりを作っていくのは、結構馬力がいる。

会社のコミュニティが消え去ってしまうことを視野に入れ、若いうちからセーフティネットを張っておくことがオススメだ。