事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

コンテンツ企画4年→マーケティングコミュニケーション3年→ブランディング3年のキャリアの先に何があるのか?

これまでの自分の仕事内容を振り返ると、「編集→マーケティングコミュニケーション→ブランディング」という道をたどってきた。業務範囲が徐々に拡張し、コミュニケーションで解決すべき領域が「コンテンツ→製品・サービス→事業戦略」と変わってきている。

コンテンツ✕編集を約4年

最初はWebメディアの編集記者としてキャリアをスタート。メディア運営に携わるコンテンツや企画を形にする仕事をしてきた。見るべき対象は「コンテンツ」である。

求められるスキルは取材力や執筆力、企画力といったところ。年次を経ると、メディアを成長させるプランニング力も必須になってくる。

「多くの人に届く良いコンテンツを作ること」が求められるし、コンテンツを作るための基礎力が求められる期間だった。まずはどっぷりとコンテンツ企画に携われたことで、基礎力は身に付いたと感じる。

ネットサービス✕マーケティング・コミュニケーションを約3年

事業会社に入って、インターネットサービスのマーケティングコミュニケーションを担当した。サービスのユーザー数を増やすために、あらゆるコミュニケーション施策を実行する立場となった。見るべき対象は「サービス」である。

求められるスキルは、Webマーケティング、プレゼンテーション、コンテンツ企画など。ネットサービス担当だったので、Webを通じたコミュニケーション施策が主軸となる。

コミュニケーションという領域でとりわけ役に立ったと感じるのが、ユーザーサポートである。約2年、毎日お客様から寄せられる質問メールに回答をしていた。ネットサービスの事業では営業担当者やサポート担当者を専任で始めから立てられるケースはまれで、マーケティング担当者が「ユーザーコミュニケーション」も兼務する場合が多い。

自分もまさしくそんな感じでサポートを担当していたのだが、お問い合わせメールに届くのはサービスを使っていただいている方のリアルな声。お客様の声を聞くことなくして、マーケティングは成り立たないと感じているので、現場に極めて近い仕事を担当できたのは、とても良い経験だったと思う。

fzm.hatenablog.com

メディア✕ブランディングを約2年

そして、今は「ブランディング」という領域の仕事が自分のミッションとなっている。見るべき対象は「企業」に広がった。この難易度が自分にとってはずば抜けて高いと感じる。

コンテンツ企画が「お客様とのコミュニケーション」、マーケティングが「製品の売れる仕組み」を構築するものだとすれば、ブランディングは「あらゆるお客様に対して、企業の姿勢を伝え、選ばれ続ける仕組み」を作ること、と定義している。

コミュニケーションの対象が一気に拡張することと、コミュニケーションで伝えるべきものが「コンテンツやサービス」から「企業姿勢そのもの」に変わっていっている。ここが何とも難解なのである。

ブランディングによって達成すべきは「企業価値を高めること」にある。企業価値はいくつかの要素で構成されていて、ざっと思いつく限りでも「社外コミュニケーション」「インナーブランディング」「採用活動」「売り上げ増加」「新規市場の創出」など、本当に幅広い。

かつ性急に成果が見えるものではなく、長い時間を掛けてブランド価値を蓄積していくたぐいのものである。そして、ふとしたはずみでブランド価値は失われる。ここも難しいポイントだ。仕事に携わりながら学び続けていくしかない。

このキャリアの先にあるもの

これまで、一貫してコミュニケーションの仕事に携わってきた。そのコミュニケーションで伝えるべきものが「コンテンツ→サービス→企業」と広がってきていることを述懐してみた。今はブランディングの仕事に全力投球する以外の選択肢はないのだが、このキャリアの先にあるのかも考えておきたい。

おそらく、よっぽどのことがない限り、これからも「コミュニケーション」に関する仕事をしていくのだろう。その影響範囲が「企業経営や事業企画」というさらに広い範囲に及んでいくはずだ。かつ、自分としてもその領域での仕事に挑戦してみたいという気持ちが高まっている。

fzm.hatenablog.com

はじめての編集 [単行本]

はじめての編集 [単行本]

はじめての「マーケティング」1年生 (アスカビジネス)

はじめての「マーケティング」1年生 (アスカビジネス)

この1冊ですべてわかる ブランディングの基本

この1冊ですべてわかる ブランディングの基本