なぜ、若者はライフネット生命保険のスタンスに共感するのか?
ライフネット生命社長の常識破りの思考法 ビジネスマンは「旅」と「読書」で学びなさい!
- 作者: 出口治明
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2010/12/23
- メディア: 単行本
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楽しみにしていたライフネット生命保険の特集番組が、「カンブリア宮殿」で放映されていました。別件がありテレビを見ることはできなかったのですが、カンブリア宮殿のWebサイトでノーカット版が公開されていました。ずっとアーカイブされているようですので、興味のある方はご覧ください。
最近このブログでライフネット生命保険のことを何度か取り上げているのですが、興味を持ったきっかけは、出口晴明社長のイベントに参加してライフネット生命保険という企業に興味を持ち、岩瀬大輔副社長の本を読んで、企業理念や起業のストーリーに共感したことです。ライフネット生命保険を立ち上げ、軌道に乗せるまでの道のりは苦労の連続だったことが伺えるとともに、生命保険業界、ひいては世界を変えるべく、新しい価値を生み出すことに奔走していらっしゃる点に、「かっこよさ」「クールさ」を感じてしまったのです。
最近では、お二方が体験してきたストーリーに感化され、これまではまったく関心を持ったことがなかった「生命保険」のことをもっと知りたいと思うようにさえなってきました。生命保険というコンテンツ、サービスではなく、お二方の人となり、ライフネット生命保険という企業の理念に強く共鳴してしまったという形です。上記のカンブリア宮殿の放映内容には考えさせられることが多々ありましたので、記録としてブログに残しておきたいと思います。
ライフネット生命保険のサービスの特徴
- 商品がシンプルで分かりやすい
- 保険料が安い
- 24時間365日、いつでも手軽に、見積もりや申し込みができる
特に琴線に触れたのが「これらが経営の根幹であり、それ以外のサービスは枝葉」という趣旨の発言。生命保険サービスは特約の上乗せなどで複雑化しており、消費者にとっては大変分かりにくいもの。この難解さをなくし、消費者にとって真に役に立つサービスを提供することが、同社の役割だという点です。
インターネット経由でサービスを提供する場合の必勝法は、「シンプル・イズ・ベスト」であるということ。難解なサービスを支持するユーザーを、私は見たことがありません。「生命保険に限らず、すべてはトレードオフであり断捨離。どこが商品やサービスの根幹であり、どこを守ってどこを捨てるかが経営だ」という出口社長の考え方に共感できる人も多いはずです。
保険の種類は3つ
- 死亡したとき
- 病気にかかったとき
- 働けなくなったとき
これらに対する生命保険サービスを提供することで、消費者ニーズの「6~8割はカバーしている」とのこと。多くの生命保険サービスでは、特約という名のもとにサービス内容や料金体系が消費者にとって分かりにくくなっており、消費者の正しいサービス選択を阻害している現状があります。消費者側から見れば「シンプルで分かりやすいサービスがいい」に決まっています。そういった思いを忠実に代弁してくれているのが同社だと感じました。
可能性とリスクは表裏一体
出口社長と岩瀬副社長の歳の差は28歳、その関係は夫婦のようであり、「仲の良い友達である」という。出口さんが岩瀬さんをパートナーとして選んだ要素の1つには、「話を理解する能力、率直にモノを見る能力」が長けていたからだそうです。生命保険業界の経験は不問であり、「今までにない会社を作るためには異質の人間と組んだほうがいい」と考えた出口社長。その背景には「世の中はすべて表と裏、可能性とリスクは同じ」という考え方があるようです。
また岩瀬副社長は出口社長とパートナーを組んだことに対して、「年齢は関係がない、同世代でも気の合わない人はいる。価値観や考え方、好きなもの、嫌いな物が合うことが大事」と話していました。何のために会社を作るか、事業を通じて何を成し遂げたいのかといった価値観、方向性のマッチングは、ベンチャー企業にとって何よりも大切だということが伝わってきます。
二人の共通点は「異様に文章がうまいこと」
「異様に文章がうまい」――ホスト役の村上龍さんが二人の共通点を指摘した時の言葉です。確かにお二方の著書はとても分かりやすく、すいすいと頭に入ってきます。「人に何かを伝えようという内なるモチベーションがないと、文章はうまくならない」という村上さんの発言が、二人の「伝えること」に対するスタンスを言い表しています。
たとえ高邁な理念や思いがあったとしても、それを人に正しく伝えることができなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。伝えること、表現することに対して大きなこだわりをもっていることが、出口社長、岩瀬副社長の発言から分かります。伝えること、そのために表現することは、ビジネスにとって重要な資源であることを再認識しました。