事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

夜の帳が下り、街は多様性を誘発する

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2011年9月24日(土)。

東京には、まだ知らない魅力的な街がたくさん。5年弱の東京生活にて初の上陸となった中目黒、いい街でした。駅周辺には昔ながらの赤提灯から、ちょっと小洒落たバーやイタリアンまで。新旧の入り交りを認めた街は、多様性を象徴しています。半袖では肌寒い季節になり、目黒川をさっそうと吹き抜ける秋風がやわらかかった。夜のとばりが下りる時間も心なしか早い。夏と秋がうまくバトンタッチしたんだなあ。

そんな中目黒では、昨日に引き続き同年代の人と酒を肴に語り合ってきました。ちょうど今の自分の年代って、仕事で後輩ができたり、ちょっとできることや責任が増えたりと、仕事に脂が乗り始めてくる時期なのでしょうね。ほんの少し前までは右も左も分からずに、日々目の前の仕事を手掛けていくことで精一杯だったのが、経験を積み、目利きのノウハウを備え、次の一手に向けて自発的に考えて行動できるポジションになっているのかもしれません。これを人は成長と呼ぶのかな。

だから、会う人みんなが自分の考えをしっかりと持っている。当然自分にもこだわりや譲れないものが見えてきていて、それらをつまびらかに共有しあう時間がとても有益になってきているんです。みんなそれぞれの人生があって、今を生きている。その片鱗に少しでも触れられたなら、それは自分にとって格別な時間です。共鳴できる考えもあれば、180度違う考えもある。だから、楽しい。

個人的に面白かったテーマは「海外だけじゃなく、日本にも素晴らしい場所がたくさんある」ことについて。この夏は自然と触れ合う機会が多くあったせいか、四季折々の花鳥風月を感じられる日本ってぜいたくな場所だなって思うようになりました。風光明媚さに少し踏み込んでいくと、出会うのは日本の歴史。とても深淵で底が見えないけど、人の営みが歴史を折り上げていて、それがそこはかとなく愛おしかったりする。

なんでしょうね、今までこういう感覚ってあまりなかったのですが、もっと日本を知りたいなと思うようになってきている。そんな自身の変化を気づかせてくれたんです。自分が自覚できていなかった感覚が呼び起こされたようでした。もしかしたら中目黒は、あまたある人の多様性をそっとつつみこみ、新しい多様性に気づかせてくれる街なのかもしれません。