人を動かすに悩み、仕事の影響範囲が広がり、スキルを捨て素養を追い求めた1年だった
2014年は今まで生きてきた中で一番過ぎ去るのが早かった。11月になっても、今年1月の正月に過ごした場面が頭をよぎることもあるくらい、あっという間の一年だった。光陰矢の如しを地で体験したのだった。
こうなると、来年はもっと1年が早く過ぎるのだろうし、再来年は時の過ぎ去る加速度がより増しそうだ。やりたいこと、すべきことがあれば惜しむことなく、即断即決即行動でやり切ってしまいたい。
この1年が早く過ぎるという感覚は「アクティビティ量理論」という言葉で説明できるらしい。活動量が少なく、新しい体験が減れば減るほど、時間が早く過ぎ去る感覚に陥るとのこと。
確かに今年の自分は仕事、プライベートのいずれも安定していて、新しい体験をあまり求めていなかったきらいがある。リスキーなことは極力避け、安定を好み「今の生活を持続したまま毎日を平穏に過ごしたい」と思うことも何度かあった。
元々変化が苦手で現状に甘んじるタイプだ。裏を返すと新体験に投資することが億劫である。これは良くないと感じるところだ。さて、前段はこんなものにして、2014年を振り返ってみよう。
人を動かすということに悩み続けた
まずは仕事面。この1年はプレイヤーやメンバーとしてではなく、リーダーとしての仕事が求められるようになった。これまでは自分のできることを増やせばそれが成果につながっていたのだが、今年はチームでできることを増やし、それを成果につなげなければならなかった。
視点が一気に変わってしまった、変わらざるを得なかったのが今年である。仕事の面において、自分だけの成果を求め続けるのは難しくないということを知った。なぜならば、自分の仕事の仕方は意識すれば変えられるからである。
一方、他者を変えることは難しい、否、ほぼ不可能である。もちろんこちらの思い通りに人が動くわけでもなければ、動かないことを前提として、「どうすればチームとして成果が出るか」という視点で人を動かさなければならないのだ。
少なくとも、正論や論理ことだけで人は動かないことを何度も学んだ。もっと人は複雑で、エモーショナルで、毎日浮き沈みがあって、そういった人間と向き合っていくことが必要だと気づいた。自分は感情では流されず、ロジックで仕事をしたいと強く思う人だが、チームを見る時に感情が先立ってしまったことがあった。チームにとってはよろしくないことだ。当たり前のことだけど、大事なことはいつも後になって分かる。
仕事の影響範囲が広くなった
上記のようなチームマネジメントが組織の縦方向の問題だとしたら、もう1つ横方向のマネジメントにも取り組むことになった。プロジェクトマネジメントである。比較的短中期でプロジェクトで成果を出すために、プロジェクト全体をデザインする仕事である。
これは今までの仕事の延長上にあるのだが、その横串を指す範囲が全社にまで広がったのが今年の一番の超えるべき壁だった。グループの中で、部署の中で影響の範囲を広げていくのはそれほど難しくない。チームや部署の人達は組織の中でも接する時間が多く、その分自分のやっていることも分かってもらえているからだ。
これが全社に広がると、勝手は違ってくる。自分やプロジェクトのことをまったく知らない人、経営層も巻き込んで、成功に導かなければならない。もちろん最初からやっていることを理解してもらうなんてことはほぼできなくて、何度も人を巻き込みながら、情報を共有して、合意を形成していく必要がある。
全社を巻き込むプロジェクトのマネジメントはうまくいかないことばかりでストレスを感じることも少なくなかった。しかし、大きく自分を成長させてくれた。結局プロジェクトマネジメントも、人を動かすことでしか成功はない。この唯一無二の事実を、経験を元に体感できたからだ。
スキルアップ重視の仕事の仕方を捨てた
「チーム×プロジェクト」マネジメントが必要になるにつれ、個人のスキルを高めようとする気持ちは相対的に小さくなっていった。これまでは履歴書に書けるスキルの数を増やそうと躍起になっていたようなものだが、今年は履歴書には書けないチームの率い方のことを考え続けていた。
大きな仕事をするには、個人のスキルよりも、プロジェクト全体をデザインする力、ディレクションする力の方が圧倒的に必要だからだ。自分ができないことでも、全体像が見えていて、目標達成のためにメンバーのスキルを割り振ればいい。チームの力で勝つというか、より大きな仕事をしたいと思う気持ちも強くなっていった。
本当に必要なのは、スキルではなく素養だった
- メディア運営スキル
- プロジェクトマネジメントスキル
- リーダーシップ
- コミュニケーション・スキル
といったところが新しいスキルとして身に付いた。特に下の3つは社会人として働き始めたころからずっと重要と言われ続けていたけど、今になってその重みを知ることになった。これまでいかに個人に依った仕事の仕方をしていたものだ。
そしてこれらのスキルは、リーダーとして仕事をしていくためには必須の素養とも言い換えられる。人格をもっと磨かないといけないと思ったし、人間としてもっと深みを求めていく必要があると感じた。そんな1年だった。
人格を磨くための基本動作の大切さを学んだ本↓
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1999/10/31
- メディア: 単行本
- 購入: 174人 クリック: 3,319回
- この商品を含むブログ (632件) を見る