事業会社マーケターのさんぽ道

事業会社のマーケッターがメディアやブランディングについて寄り道散歩。

勢いに任せてガンガンしゃべっても「伝わるプレゼン」にはならないよね

最近、セミナーの登壇でお声がけいただく機会が増えており、先週も2度、数十人の前でプレゼンテーションをさせていただいた。登壇した1つは「B2Bマーケティング&PR強化セミナー」。ブログメディア「サイボウズ式」の立ち上げから運営で分かったことを伝えるセミナー内容だ。

自分は話す速度は割と早い方で、たたみかけるように情報を出して、その中で聞き手に響くものがあればいいというスタンスだったりする。昨日のプレゼンテーションのアンケートは満足度90%以上といい感じの評価だったのだが、果たしてこのガンガン話すプレゼンスタイルは良いのだろうか。ちょっと立ち止まって考えてみた。

プレゼンで詰め込みすぎてしまうクセ 

いつもそうなのだが、いただいた講演時間に対して、資料をかなり多めに作ってしまう。今回は40分のセミナー時間でスライド枚数は90枚強。明らかに多い。。。昨日のセミナーでは別の方二人が登壇していらっしゃったのだけど、お二方の約2倍のスライド枚数だった。 

「やってきたことを余すことなく伝えたい」「すべては参考にならないかもしれないけど、何か1つでも聞き手にとって役に立つ情報を届けられればいい」。そういうスタンスで資料を作ってしまうからだ。 

資料の枚数が増えると、当然プレゼンテーションのスピードを上がっていかざるを得ない。幸いに早口気質で「噛む」こともあまりないので、スピードを上げることはあまり苦にしない。

「全体的にプレゼンが早い」というフィードバック

昨日のセミナーも「満足」「やや満足」という評価が合計90%を超え、全体としては満足いただけた結果になったと思う。しかし、自由回答の中には「プレゼンのスピードが早い」といったコメントが散見された。やはり、そう思う方が少なくないのだ……と。 

自分自身、早くてテンポの良いプレゼンテーションを聞くのはとても刺激的で、話されていることを1つも漏らすまい、と集中して聞き込める。でも、聞き手の方のみんながみんなそうじゃないよね、って話。

プレゼンの秘訣はペラペラしゃべらない 

自分自身のプレゼンを振り返りながら、ふとこんな記事があったことが思い浮かんだ。

 

日本人は英語がうまい人のことをペラペラと話すと言いますが、相手に伝えるにはゆっくり話したほうがいい。ペラペラしゃべろうとするから、かえって何を言っているのかわからなくなるのです。

 

日本語だってゆっくりしゃべったほうがわかりやすいですからね。

今回のプレゼンは、プレゼンの教科書にもなるし、英語の教科書にもなると思うのです。つまり、相手の心を動かすにはゆっくりしゃべることが大事だということです。

team-work.jp

そうそう、これだよ、これ。東京五輪を決定づけた最終プレゼンテーション。伝わる・伝えるポイントは「ゆっくりと、シンプルに」「ペラペラしゃべらない」。できる人の本当に伝わるプレゼンには、きっとこれらの要素が含まれているんだなあと。

もっとじっくり、ゆっくり、シンプルに「伝えるべきことを伝える」ということをやってみてもいい。これは新しい気付きであり、改善ポイントだ。次の機会では、今までのように勢いに任せて話しすぎないプレゼンテーションを心掛けてみたい。

足りないのは「共感を生む」プレゼンかも 

もう1つヒントとなる記事があった。

 

訪問先の社長さんにひと通り営業が終わった後に、

「吉田さんはプレゼンが上手ですね」

と言われました。

 

(中略)

 

その社長さんは、私がプレゼンそのものの完成度に目が行っていて、

話し相手に関心を向けていないことに気づいたのだと感じました。

 

それ以来「プレゼンが上手ですね」「営業が上手いですね」は、危険信号だと思うようにしています。

上手くなくて良い、多少たどたどしくても良いから共感をしてもらうことのほうが大切です。

 

crowdworks.jp

これはとてもしっくり来た。上手なプレゼンでは、聞き手の心を震わせることはできない。共感してもらって、何かしら考えるきっかけになったり、行動を起こしてもらえるような伝え方を模索していかなきゃ。

 

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